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臨床研究Q&A

Q1 未承認の医療機器を用いた臨床研究を計画していますが、特に注意することはありますか?

厚生労働省は、「臨床研究において用いられる未承認医療機器の提供等に係る薬事法の適用について」注1)「「臨床研究において用いられる未承認医療機器の提供等に係る薬事法の適用について」に関する質疑応答集(Q&A)について」注2)において、未承認医療機器の提供等に係る薬事法(現在の薬機法)適用の基本的な考え方を示しています。この中で、企業が未承認医療機器を提供して実施する場合の臨床研究の要件として、医師又は歯科医師が、自らが計画を立案するなど、主体的に実施する臨床研究であることなどが記載されています。詳細はこれらの資料をご参照ください。また、医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS)の戦略会議「未承認医療機器による臨床研究」が作成した「未承認医療機器を用いた臨床研究実施の手引き」注3)などが参考になります。

なお、製造・販売の「承認」、「認証」、又は「届出」が行われていない医療機器は全て「未承認医療機器」になります。また、承認等が得られた医療機器であっても、形状・仕様等を変更した場合や承認等の範囲外の目的で使用する場合も未承認医療機器と同じ扱いになります。また、未承認医療機器の場合、「通常の診療を超える医療行為」であって、研究目的で実施するものは、侵襲の程度にかかわらず全て、「介入」注4)に分類されることに留意ください。

  • (注1)厚生労働省 医薬食品局長通知 薬食発0331第7号(2010年3月31日)
  • (注2)厚生労働省 薬食監麻発0331第7号(2011年3月31日)
  • (注3)医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS)作成(2011年12月)
  • (注4)介入とは、「研究目的で、人の健康に関する様々な事象に影響を与える要因(健康の保持増進につながる行動及び医療における傷病の予防、診断又は治療のための投薬、検査等を含む。)の有無又は程度を制御する行為(通常の診療を超える医療行為であって、研究目的で実施するものを含む。)」を指します。(「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」から)
Q2 医療機器の臨床研究において「リスク」はどのように考えればよいでしょうか?

「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針ガイダンス」には、「「リスク」とは、研究の実施に伴って、実際に生じるか否かが不確定な危害の可能性を指す。その危害としては、身体的・精神的な危害のほか、研究が実施されたために被るおそれがある経済的・社会的な危害が考えられる。」と、臨床研究を実施する上でのリスクが記載されています。それでは、医薬品、医療機器それ自体が持つリスクとは何でしょうか?医薬品は副作用を中心としたリスクの考え方があります。これに対して、医療機器は不具合の結果による健康被害でリスクが判断されます。

医療機器の国際分類は、”不具合が生じた場合に”、人にどの程度の健康被害を与えるかによって、下図のようにクラスⅠからⅣのリスクに応じた分類になっています。クラスⅠは人体へのリスクが極めて低いもの、クラスⅡは人体へのリスクが比較的低いもの、クラスⅢは人体へのリスクが比較的高いもの、クラスⅣは生命の危機に直結する高いリスクがあるものになります。

それでは、「未承認」の医療機器は高リスク機器、「非侵襲」の医療器機器は低リスク機器でしょうか? 必ずしもそうではありません。未承認であっても、リスクの極めて低いと考えられる医療機器もあります。非侵襲の検査機器であっても診断結果が治療に大きな影響を及ぼす場合は、高リスク機器になります。医療機器自体が持つリスクは、承認・未承認の違いや侵襲注1)の程度と必ずしも一致しないことに注意してください。

医療機器のクラス分類は機器に対する薬機法の規制による分類ですが、臨床研究では、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針ガイダンス」に示されているように、医療機器自体のリスクだけでなく、臨床研究のプロトコルの中でどのように使用されるかによってもリスクが変わることに留意する必要があります。また、医療機器の人体へのリスクは、患者さんだけでなく、操作者(医療者)に対しても考慮しなければなりません。

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 ホームページの資料より

  • (注1)侵襲とは、「研究目的で行われる、穿刺、切開、薬物投与、放射線照射、心的外傷に触れる質問等によって、研究対象者の身体又は精神に傷害又は負担が生じること」を言います。 また「侵襲のうち、研究対象者の身体及び精神に生じる傷害及び負担が小さいものを「軽微な侵襲」」と言います。(「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」から)
Q3 医療機器を用いた臨床研究を実施する前に確認すべきことは何でしょうか?

医療機器の製造・販売において、臨床的な有効性及び安全性が性能試験、動物試験等の非臨床試験成績又は既存の文献等のみによって評価できる場合は、治験成績が不要注1)となります。したがって、機器の基本的な性能や安全性を担保するための非臨床試験が非常に重要になります。具体的には、医療機器の承認を得るにあたっては、医療機器の設計において、物理的、化学的、生物学的、電気的安全性等が要求され、医用電気機器に対する基本的要求事項として、国際規格(IEC60601-1)や生物学的安全性の規格(ISO10993-1)などが各国の国内規格として取り入れられています。さらに、医用電気機器では、電磁両立性に関する規格(IEC60601-1-2)により、妨害電磁波に対する耐性や電磁波放射ノイズが規制され、同規格に適合することが要求されています。

臨床研究を実施する場合も、機器の基本的な性能や安全性を担保するための非臨床試験の結果が重要であることに変わりはありません。特に、未承認医療機器を使用する場合は、「臨床研究機器に関する説明書フォーマット」などを参考に、機器提供企業から電気安全性、生物学的安全性などの安全性試験や性能評価に関する試験結果を入手する必要があります。

なお、医療機器の場合、操作方法の習得や保守管理が、研究対象者(患者等)のみならず操作者(医療者)の安全性の観点から重要になります。必要に応じて、操作トレーニング実施計画等を立案・作成することが望まれます。また、医療機器の保管・管理の体制整備も重要です。具体的には、医療機器提供企業と事前に相談し、医療機関側の保管場所、保管責任者、保守メンテナンスなどの保管プロセスを確立するとともに、保管・管理の書類整備を行う必要があります。

  • (注1)「医療機器の臨床的な有効性及び安全性が性能試験、動物試験等の非臨床試験成績又は既存の文献等のみによっては評価できない場合に、臨床試験の実施が必要となり、臨床試験成績に関する資料の提出」が求められます。ここで臨床試験は治験を指しています。ただし、「臨床試験の試験成績に関する資料の要否については、個々の医療機器の特性、既存の医療機器との同等性、非臨床試験の試験成績等により総合的に判断」されます。(「医療機器に関する臨床試験データの必要な範囲等について」(平成20年8月4日薬食機発第0804001号通知)から)
Q4 医療機器の開発においては治験ではなく臨床研究で評価が行われることが多いようです。医薬品と何が違うのでしょうか?

医療機器の製造・販売には、「届出」、「認証」あるいは「承認」が必要になります。リスクが極めて低いクラスⅠの医療機器は医薬品医療機器総合機構(PMDA)への届出(自己認証)のみになり、臨床試験成績(治験成績)の提出は不要です。また、大部分のクラスⅡ、一部のクラスⅢの医療機器には認証基準注1)があり、第三者認証機関が審査します。この場合も臨床試験成績の提出は不要です。このため、治験の対象は、PMDAによる承認審査を受ける一部のクラスⅡやクラスⅢ、Ⅳの医療機器に限られます。

PMDAによる承認審査は、医療機器は改良・改善で進化するものが多いため、下図のように新医療機器、改良医療機器、後発医療機器の3つトラック注2)に分かれ、また、臨床試験成績の要否(「臨床あり」、「臨床なし」)、承認基準の有無に基づいて行われます。ここで、原則、治験が必要なもの(「臨床あり」)は、さらに、新医療機器や改良医療機器の一部に限定されます。

PMDAの業務実績で承認された品目数を見ると分かりますが、臨床試験成績を必要としない改良医療機器(臨床なし)や後発医療機器(臨床なし)の件数が大多数です。さらに、例えば、平成26年度において、新医療機器は67件承認されていますが、業務実績の詳細を見ると、治験が不要な一部変更承認申請、海外での臨床試験成績や臨床評価報告書注3)による承認の件数が多く、新医療機器で国内治験を実施した件数は7件になっています。改良医療機器(臨床あり)でも8件に留まります。

つまり、医療機器の製造・販売で治験を行うことは非常に限定的で、このことが医薬品と大きく異なるところです。

しかし、「届出」、「認証」、「承認」に臨床試験成績の提出が不要であっても、医療機器の性能や、操作性などのユーザビリティ注4)の評価では、臨床研究による確認が必要です。このため、医療機器では臨床研究が非常に重要な位置付けとなります。

医療機器承認品目数
  平成
22年度
平成
23年度
平成
24年度
平成
25年度
平成
26年度
新医療機器 18 33 46 94 67
改良医療機器(臨床あり) 25 44 37 60 35
改良医療機器(臨床なし) 102 186 218 227 213
後発医療機器 852 874 1191 943 917

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 平成26事業年度業務実績より

  • (注1)厚生労働大臣が基準を定めたものについて大臣の承認を不要とし、あらかじめ厚生労働大臣の登録を受けた民間の第三者認証機関が基準への適合性を認証する制度で用いられる適用範囲、技術的な基準、使用目的又は効果で構成された医療機器の認証基準
  • (注2)新規性の程度によって審査プロセスを明確化するために導入された3区分(新医療機器・改良医療機器・後発医療機器)による審査体制
  • (注3)医療機器の臨床的な有効性及び安全性が性能試験、動物試験等の非臨床試験成績又は既存の文献等のみによっては評価できない場合は、臨床試験(治験)の実施が必要です。しかし、臨床試験成績に関する資料の提出が必要な範囲の機器であっても、既存の文献等によって評価可能と考えられる場合には、「臨床評価報告書」でもって臨床試験成績に代えることが出来ます。
  • (注4)ユーザビリティは、有効性、効率ならびに操作者の学習しやすさ及び満足度を確立する特性であり、欧州では、医療機器の開発において、ユーザビリティエンジニアリングの適用が法規制等によって義務付けられています。国内ではユーザビリティの適用は義務付けられていませんが、医療機器の評価において重要な概念になります。
Q5 ソフトウェアが医療機器になったとのことですが、どのようなソフトウェアが医療機器になっているのでしょうか?また、臨床研究で注意することはありますか?

2014年11月25日に施行された医薬品医療機器等法(薬機法;「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)で、ソフトウェア単体も「医療機器プログラム」として規制の対象になりました。ソフトウェアが医療機器プログラムになるかどうかは、「プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方について」注1)に示されています。

「医療機器プログラム」は、疾病の治療、診断等への寄与の程度、総合的なリスクによって決まり、①疾病診断用プログラム、②疾病治療用プログラム、③疾病予防用プログラムの3つに類別されます。また、プログラムそのものは「医療機器プログラム」と呼びますが、「医療機器プログラム」を記録した記録媒体を含める場合は「プログラム医療機器」と呼ばれています。「医療機器プログラムの取扱いについて」注2)や「医療機器プログラムの取扱いに関するQ&Aについて」注3)などが参考になります。

例えば、ワークステーションで動作していた診断用「医療機器プログラム」として、クラスⅡ(管理医療機器)の「汎用画像診断装置ワークステーション用プログラム」があります。2016年6月末の時点で、既に74件が第三者認証機関による認証を受けています。同じ「汎用画像診断装置ワークステーション用プログラム」でも、認証基準に合致しない1件はPMDAによる承認となっています。

一方、治療用「医療機器プログラム」では、クラスⅢ(高度管理医療機器)の「放射線治療計画プログラム」は全て承認となっています。治療用プログラムでも、クラスⅡの「呼吸装置治療支援プログラム」などは認証となっています。勿論、クラスⅡでも、認証基準に合致しないものは承認が必要になります。

クラスⅠ(一般医療機器)の医療機器は届出が必要ですが、クラスⅠに相当する医療機器プログラム(機能の障害等が生じた場合でも人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないもの)については、医療機器の範囲から除外されることになっています。これは、「医療機器プログラム」がこれまでの医療機器とは異なるところです。

現時点では、既承認機器に搭載されていたソフトウェアを、プログラム単体として認証・承認を受けるものがほとんどです。しかし、今後は、モバイルアプリなどを含めて、「医療機器プログラム」として新規に開発されるものが急速に増加すると予想されます。

こうした「医療機器プログラム」の臨床研究での取扱いは基本的には機器と同じですが、「医療機器プログラムの承認申請に関するガイダンス」注4)に医療機器プログラムの承認審査上の共通の論点が記載されています。ここには、「医療機器プログラムの臨床的意義及び計算アルゴリズムは、すでに確立しているもしくは臨床的な検証・妥当性の確認が完了しているといえるのか、妥当な根拠をもって明確にしておくことが必要である。すでにそれらが確立していると認められる場合、その医療機器プログラムの臨床上の有効性及び安全性に関して、新たな評価を実施することを要しない可能性がある。一方、まだその検証・妥当性の確認が十分とはいえないケースにおいては、新たな臨床的な評価が必要になると考えられる。」とあります。こうしたガイダンスなどを踏まえて臨床研究を計画することが重要になります。
(2017年1月20日時点の記載です。)

  • (注1)薬食監麻発1114第5号「プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方について」(平成26年11月14日)
  • (注2)薬食機参発1121第33号、薬食安発1121第1号、薬食監麻発1121第29号)「医療機器プログラムの取扱いについて」(平成26年11月21日)
  • (注3)事務連絡「医療機器プログラムの取扱いに関するQ&Aについて」(平成26年11月25日)
  • (注4)事務連絡「医療機器プログラムの承認申請に関するガイダンスの公表について」(平成28年3月31日)
Q6 「医療機器のユニークデバイス識別」とは何でしょうか?医療機器の臨床研究を実施する上で役立つものでしょうか?

医療機器のユニークデバイス識別(Unique Device Identification: UDI)は、医療機器の製品仕様の日本米国欧州間の統合整合化を審議する国際医療機器規制当局者フォーラム(IMDRF)が2011年に発行した「医療機器ユニークデバイス識別ガイダンス」に挙げられている①個々の医療機器に対するバーコード識別表示と②国家レベルの製品情報のデータベース登録に対応する措置のことを指します。①医療機器の識別表示では、i)製品機器識別情報として、製品名、製品コード(機種)、製造業者名などの固定データとともに、ii)製造識別情報として、機器の有効期限日、ロット番号、シリアル番号などの可変(=機器毎に固定でない)データを示すことが求められています。また、②データベース登録については、各国の保健当局によって対応が異なります。

UDIの運用は、医療機器や医療材料に関して、それぞれの製品情報を中央管理し、トレーサビリティーを確保することにより、医療安全の向上(医療機器に関連した合併症や医療過誤の原因解明と予防策の構築、感染対策、医療機器使用の標準化・平均化)を主たる目的とし、医療機器流通に掛かる負担軽減(リコール・返品業務の効率化、偽造医療機器の排除)と行政視点での医療機器に掛かる医療費の不適切な保険償還請求の防止もその目的になっています。

UDIは、米国FDAでは2014年から医療機器クラスに応じて罰則規定のある法律として義務化されていますが、欧州委員会では検討段階で未施行です。日本(厚生労働省)ではバーコードによる医療機器の識別表示が罰則規定のない省令として求められていますが、データベースによる中央管理は実施されていません。したがって、国内で開発製品化された医療機器を米国に向けて輸出する際にはUDI対応を検討しなければいけないことになります。ただし、IMDRFのガイダンスに基づくUDI対応は、日本としても国際整合性の確保から避けられず、近い将来に厚生労働省から通知が発出され、米国向け輸出機器だけでなく、国内向けおよび欧州向け医療機器でもUDI対応が義務化されることが予想されます。米国FDAのデータベース(Global UDI Database: GUDID)はweb上で公開されており、誰でも医療機器を検索し、その情報をダウンロードできるようになっています。例えば、MRI対応の可否や再滅菌の可否などの情報を得ることが出来ます。

それでは、医療機器の臨床研究を行う際に、UDI対応はどのような意味を持つでしょうか?国内で臨床研究の対象となる適応外・未承認医療機器は、医療機器識別バーコード表示の義務化ルールの範囲外でありUDI対応は必須ではありません。ただし、UDIの理念にある医療安全の観点は、臨床研究における副作用発現時の原因究明や臨床研究の継続にとって重要な評価となりますので、UDIを意識した医療機器管理は試験を実施する研究者にとって有用であると考えられます。
(2017年1月20日時点の記載です。)

参考文献)
黒澤康雄. FDA, 各国規制当局のUDI規制の進捗 –規制をクリアした医療機器の市場対応と輸出拡大のために-. 医療機器学 2015: 85: 345-53

Q7 高度な医療技術を実施する際の安全管理体制の整備が進んでいると聞いていますが、医療機器の臨床研究を実施する上で何が変わるのでしょうか?

特定機能病院注1)における重大な医療事故の発生を踏まえて、医療安全対策の強化の方向性が検討された結果、特定機能病院の承認要件の見直しが行われました。

特定機能病院においては、診療科の長は、次の①と②については、あらかじめ、特定機能病院の管理者が設置する部門(「担当部門」)に申出を行い、承認を得る体制に変更されます。

  • ①「高難度新規医療技術」を用いた医療の提供
  • ②「未承認新規医薬品等」を用いた医療の提供

ここでの「高難度新規医療技術」とは、当該病院で実施したことのない医療技術(軽微な術式の変更等を除く。)であって、その実施により患者の死亡その他の重大な影響が想定されるものになります。例えば、既承認の医療機器であっても、患者の死亡その他の重大な影響が想定されるもので、当該病院で実施したことのない医療技術に当たる場合は、①の対象になります。また、「未承認新規医薬品等」とは、当該病院で使用したことのない医薬品又は高度管理医療機器であって、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)における承認又は認証を受けていないものになります。つまり、未承認医療機器を用いた臨床研究で、当該病院でこれまで使用したことがないリスクの高い高度管理医療機器(クラスⅢ、Ⅳ)を用いた場合は、②の対象になります。

各特定機能病院は、厚生労働省が発出した基準注2),3)に従って規程を作成注4)し、臨床研究を実施する診療科等はこの規程を遵守することになります。具体的には、対象となる臨床研究は、新設の「高難度新規医療技術評価委員会」、あるいは「未承認新規医薬品等委員会」と倫理審査委員会の両方で審査を受けることになります(既存の倫理審査委員会が上記の基準を満たす場合には、評価委員会を兼ねることもできます)。提供する医療が、「高難度新規医療技術」や「未承認新規医薬品等」に該当するか否かは、一義的には診療科の長の判断によりますが、判断が困難な場合には「担当部門」の意見を聞くことになります。また、病院で実施したことのある医療技術、使用したことのある医療機器であっても、従来の実施体制に大きな変更があった場合には、診療科の長は、改めて適切な実施体制の確認を行う必要があります。

これらの特定機能病院の承認要件の変更は、2016年6月10日付けで交付され、2017年3月には経過措置が終了するため、2017年4月から運用が開始されます。また、一般的な病院においても、高度な医療技術を提供する場合などには、特定機能病院に対する規定を参考に、同様の取り組みを求める努力義務が課されることになります。
(2017年1月20日時点の記載です。)

  • (注1)平成5年4月施行の医療法の第2次改正によって制度化された医療機関の機能別区分のうちのひとつ。高度な医療を提供する医療機関について、厚生労働大臣が個別に承認するもので、承認要件が定められている。
  • (注2)医政発0610第21号「医療法施行規則第9条の23 第1項第7号ロの規定に基づき高難度新規医療技術について厚生労働大臣が定める基準について」(平成28年6月10日)
  • (注3)医政発0610第24号「医療法施行規則第9条の23 第1項第8号ロの規定に基づき未承認新規医薬品等を用いた医療について厚生労働大臣が定める基準について」(平成28年6月10日)
  • (注4)「高難度新規医療技術の導入プロセスに関するQ&A」(高難度新規医療技術の導入プロセスにかかる診療ガイドライン等の評価・向上に関する研究班作成)
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